特別の寄与の制度(特別寄与者、特別寄与料)について
寄与分は、相続人にのみに認められるものですが、改正民法(平成30年法律第72号)では、相続人以外の者の貢献を考慮するための方策として、新たに、「特別の寄与の制度」が創設されました(民法1050条)。
例えば、亡き長男の妻が被相続人の介護をしていた場合、長男の妻は、どんなに被相続人の介護に尽くしても、相続人ではないため、被相続人の死亡に際し、相続財産の分配にあずかれませんでした<注>。しかし、それでは全く介護を行っていない相続人(長女・次男など)との間で不公平な結果となるため、長男の妻に、相続人(長女・次男など)に対する金銭の請求が認められることになりました。
<注>改正前は、このような問題を回避するためには、被相続人が生前において、長男の妻に対して、遺贈するか死因贈与契約をする必要がありました。又、これらの生前対策をせずに死亡した場合には、寄与分と同じ効果を生じさせる論法として、①特別縁故者制度、②準委任に基づく請求、③事務管理に基づく請求が考えられましたが、いずれも要件上の制約があるため、十分な救済にはなっていませんでした。
特別寄与者になりうる人は?
新民法では、「特別の寄与」が認められる者は、「被相続人の親族」と規定されています。
民法上、親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族をいうので(725条)、例えば、いとこの子同士の関係(6親等の例)や、配偶者の甥や姪(3親等の姻族の例)も、広く対象となります。
特別寄与料
特別寄与者と認められると、寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)を請求することが出来ますが、特別寄与料は、相続人に請求します。
遺産分割はあくまで相続人だけで行うこととして、特別寄与者には相続人に対する金銭請求を認めることにしたわけです。
そして、当事者間で協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所に対して協議に変わる処分を請求することができます。
注意が必要なのは、請求には、期限がある点です。相続の開始及び相続人を知った時から6ヶ月を経過したとき、又は相続開始の時から1年を経過したときは、請求できなくなるので、注意が必要です。
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